暮らし

古民家賃貸に3年間住んで分かった古い家のメリットとデメリット

3年前に私と夫は今住んでいる築50年の戸建て賃貸に引っ越してきました。

この度中古戸建てを新たに購入することになり、この家から去ることになりました。

3年間住んで分かった、「古い家に住む」ことのメリットとデメリットについて記してみたいと思います。

メリット①広い

昔の家は広いことが多いです。

我々が住んでいたのも、2階建ての4DK。駐車場も付いていました。

独立したキッチンはとても広々としていて、今まで住んできたどの家のキッチンよりも使いやすかったです。

子どもが生まれてからも、騒音をあまり気にすることなくのびのびと子育てすることができました。

雨の日は2階でボール遊びをするなど、マンションでは考えられないような暮らしもできたのも一軒家ならではでした。

メリット②収納が多い

古い家に住んで初めて知ったのが、押入れの収容能力でした。

奥行きがあるので、棚を入れるなどして高さを工夫すればたくさんのものを収納することができます。

それが各部屋に1つずつ付いているのですから、もうしまえないものはないほど。

(それが引っ越し前の断捨離で悲鳴を産む元となるのですが・・・)

現代的な家の収納と比べると使い勝手はイマイチですが(ウォークインクローゼットどころか這って押入れの中に入らないといけない)、

工夫次第でいくらでも使いやすくすることができます。

押入れをデスクがわりにしたり、ドラえもん然り寝床にする人も多いですが、そんなフレキシブルさが古い家の収納の魅力だと思います。

メリット③家賃が安い

築年数が古いと、広さに対する家賃は本当に安いです。

また、管理費がなく駐車場代も含まれていることが多いので、マンションにありがちな「家賃は安いけど、思ったより月々の支払いが高くなっちゃったな」というようなことがありません。

我々が住んでいたのは駅徒歩圏内で立地も良い家でしたが、周辺の2LDKのアパートと比べても1~2万ほど家賃が安かったです。

ただ、エアコンを別途設置する必要があったり、断熱性がほぼ皆無ということもあって(後述)、トータルの費用としてはそんなに変わらないかもしれません。

メリット④DIYがしやすい

古い家、これまでにたくさんの人が住んできたのでしょう。

色々な人が自分たちが使いやすいように、家を整えていた軌跡が見られます。

例えば柱には数え切れないほどの穴が空いています。

というわけで賃貸では躊躇いがちな「穴をあける」という行為のハードルは限りなく低いものでした。

誰かがあけた穴を利用して、フックを取り付けて吊り下げ収納にしました。

メリット⑤落ち着く

古い木が所々に使われていたり、意匠が凝らされていたり、賃貸にはない雰囲気が魅力でした。

また、いわゆるアナログな古い道具との相性が抜群に良いのです。

冬の寒い日は石油ストーブを焚いて、ゆっくり煮込み料理をしたり、焼き芋を焼いたりするのが好きでした。

ちりちりとした炎の光が障子を赤く染めて、それはそれは素敵でした。

昔ながらの箒をただ吊るしておくだけでも馴染むし、新しい家では得られない味わい深さがあったと思います。

デメリット①使いづらい間取り

さて、デメリットですが、まずは間取りが非常に使いにくいです。これは物件にもよると思いますが。

今はLDKなどの広いリビングダイニングで家族みんなで過ごすことを想定した間取りが主流ですが、昔の家はそうではないのです。

我々が住んでいた家の場合。まず、台所は独立しています。

そして居間(6畳)と客間(6畳)が廊下を隔てた別々の場所にあるので、必然的に台所に近い方の居間で過ごすことになります。

そのため、家全体の広さがあっても結局使うのは6畳の居間のみ・・・ということになってしまい、スペースを無駄にしている感じがありました。

台所が独立しているのも、広くて使い勝手は良いのですが、小さい子供がいると目を離す瞬間ができるのでちょっとヒヤヒヤします。

デメリット②虫が発生しやすい

古民家の大嫌いなポイント・・・それは虫の発生。

多分通気性が良いというか、あらゆるところに隙間が発生しているせいだと思いますが、とにかく外との距離が近いのです・・・

掃除の時間はいつも蜘蛛との縄張り争い。

夏場には蟻が大量発生したこともありました。

そして大嫌いな例の黒い虫も・・・

どんなに掃除を頑張っても、家の中で虫を見ない日はありません。

これはもうそういうものだと思って仲良くやっていくしかないのでしょうね。

私は蜘蛛とか蟻は全然平気なのですが、黒い虫だけは苦手なので、夏場の夜などは怯えて過ごしていました。

ブラックキャップが効かない家に初めて住んだよ・・・

デメリット③断熱性は皆無

そして今回引っ越しを決断した最大の理由は、断熱性のなさ。

窓は薄っぺらい割にたくさんついているし、アルミサッシだし、外気温の影響をダイレクトに受けます。

WHOが室温が18度以下になると健康被害を受けるという情報を公開していますが、冬場には室温18度以下どころか10度程度になることもあります。

きっとエネルギー効率も悪いし、エコじゃないよねということで気になっていました。

冬はエアコンの暖房を一晩中つけっぱなしにしていたら子どもが風邪をひきやすくなったので、プラスで加湿器も稼働させることになり、

電気代がものすごいことになってしまいました。

少し長めにした断熱カーテンを取り付けたりとできることはしましたが、文字通り暖簾に腕押し状態・・・

コンポストトイレを販売しているecoばかクリエイションのモーリーさんも、何年も古民家の断熱性を上げるリノベーションに取り組まれてきましたが

最近になって新しめの家に引っ越されたということです。

費用対効果が合わないということを動画ではお話しされていました。

それくらい、古民家の断熱性を上げることって難しいんですね。

デメリット④湿気がたまる

古い家、とても湿気が発生しやすいです。メカニズム的なことはよく分かりませんが、感覚的にこれは確かだと思います。

シンクの下に保管しておいた竹製歯ブラシが、私の里帰り出産期間中に全部カビていたのはショックでした・・・

収納は充実していますが、だからと言って何でもかんでも収納して放置してしまうとカビの被害を受けます。

今回は古民家賃貸に住んでわかったメリットとデメリットについて書いてみました。

3年間ではありましたが、実は東京に住み始めてから初めて契約更新をした、一番長く住んだ家でした。

新しいマンションから古い一軒家に移ったことで、自分の価値観を確認できたことが良かったと思います。

それまでは、ただ同然で売られているような築古の中古物件を買って、いい感じにリノベーションして住むことにもそれなりの憧れがありましたから。(素敵なリノベ物件たくさんありますよね)

でもいざ古い家に住んでみると、私には向いていない考えだということがわかりました。

とはいえ一軒家の自由な暮らしは魅力的で、そのことが住宅購入への後押しになりました。

ちなみに購入した家は、性能に全振りした築浅物件です・・・(反動が来すぎ)

私たち夫婦にとっては、初めての出産に子育てと、本当に人生の大きな変化をともにしてくれた古民家でした。思い出もたくさんあります。

また誰か新しい人が住んで、楽しい思い出を作っていってくれることを願っています。

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