ゼロウェイストを意識し始めると、これまでほとんど無意識にしていた行動がゴミの発生に繋がっていることに気がつきます。
トイレットペーパーもその一つ。
「いくらなんでも、ここは削れないでしょ!」と思っていました。
が、さまざまな工夫でゴミを極限まで減らしているゼロウェイストの世界。
国内外のゼロウェイスターがトイレットペーパー問題に対してどのように対処しているのかを調査しました。
オススメの代替案:環境負荷の少ないトイレットペーパーを買う
具体的なゼロウェイストの方法に入る前に、ひとつオススメの代替案をご紹介します。
ゼロウェイストは必ずしも目に見えるゴミをゼロにすることだけを目的にするべきではなく(実際にゼロにするのはまず不可能ですし)、少しでも環境負荷の少ない行動をとることも大事な選択肢の一つだと思うため、目を通していただけると嬉しいです。
トイレットペーパーの原料には、木材由来の「パルプ」と牛乳パックなどを再利用した「古紙(再生紙)」の2種類があります。
パルプ(いわば新しい木)を使用したトイレットペーパーは白く、強度があります。
再生紙のトイレットペーパーは黒っぽく、インク粒などが残っていることがあります。
しかし、トイレットペーパーは性質上トイレに流されると2度とリサイクルはできません。
一度しか使えないトイレットペーパーにパルプを使うのはもったいないことです。
また、パルプからトイレットペーパーを生産するには、古紙から生産するよりも30%多くの温室効果ガスが必要になります。
https://www.researchgate.net/publication/257680097_A_comparison_of_the_GHG_emissions_caused_by_manufacturing_tissue_paper_from_virgin_pulp_or_recycled_waste_paper
さらに、大量の水も必要になります。
つまり、
- 再生紙でできたトイレットペーパーを選ぶこと
が、ゼロウェイストの前に、これからすぐにできるアクションかもしれません。
再生紙でできたトイレットペーパーには、「グリーンマーク」というマークが表示されています。
トイレットペーパーの場合は100%古紙が使用されていないと、このマークを表示することはできません。(国民生活センターより)
また、
- 1ロールあたりの巻きが多いトイレットペーパーを選ぶ
ことでも、製品の流通や輸送における環境負荷を減らすことができます。
では、ゴミを減らすことを目的とした、ゼロウェイスト的なトイレットペーパーとの付き合い方についてご紹介します。
トイレットペーパーは、ドラッグストアやスーパーなどで、12ロールで売っていることが多いですね。
平均的な日本人は1年間に一人当たり91ロールを消費するのだそうです。
https://www.sustainablebrands.jp/news/os/detail/1191796_1531.html
日本では、紙そのものは排泄物とともに流れて砕け、下水処理場で処理され、工業用水として使われたり、河川に放流されます。
残った包装ビニールや芯などがゴミになってしまいます(芯はリサイクルできるのでまあ良いとして)。
このゴミをどうやって減らせば良いのでしょうか。
方法1:芯なしのトイレットペーパーをまとめ買い
ゴミになってしまうのは、「包装ビニール」と「芯」。
であれば、芯なしのトイレットペーパーで包装ビニールがなければ解決します。
芯なしのトイレットペーパーを大量に出品しているネット通販もあります。
ダンボールに緩衝材など入れずに送ってもらえば、ダンボールをリサイクルするだけで済みます。
こちらのブログに購入の様子が詳細に綴られています。
https://parolaccia.info/zero-wast-toilet-paper/
まとめ買いをすれば、買うたびに消費していた包装ビニールを節約でき、環境に負荷が少ないと言えます。
方法2:紙で個包装されたトイレットペーパーを買う
ゼロ・ウェイスト界のインフルエンサー、ローレン・シンガーが推奨していた方法。
紙で個包装されたトイレットペーパーを一つずつ、必要になったら買うというもの。
紙の包装紙とトイレットペーパーの芯はリサイクルに出しましょう。
一つずつ買っていてはすぐに無くなってしまいそうですが、ローレンは一人暮らしなのでこの方法が合理的なのかもしれません。
日本の場合は災害も多いので、備蓄のためにも同時にいくつか購入しておくことをオススメします。
方法3:ウォシュレットを活用する
便器にウォシュレットが装備されているならば、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
最近では温風乾燥機能が付いているウォシュレットも多いので、乾燥まで済ませてしまえばトイレットペーパー不要でまさにゼロウェイストです。
(全自動の場合、トイレットペーパーよりウォシュレットを使う方がCO2の排出量が多くなる可能性もありますが・・・)
方法4:携帯用ウォシュレットを使う
携帯用ウォシュレットという商品もあります。
水を補充するだけで、どこでもウォシュレットができてしまうという優れもの。
ダイソー、キャンドゥなどでもペットボトルに装着するタイプの携帯用ウォシュレットが販売されているようです。
これをトイレに常備しておけば、トイレットペーパーを大量に使わなくても済みそうです。
海外旅行などにも持っていけるので、お尻の弱い方は一つ持っておくと便利かもしれません。
方法5:ウォシュレットを自作
自宅でウォシュレットを自作してしまったという方も発見しました。
https://hapilaki.net/wiki/washlet-jisaku
こちらの方は洗面台に水道が2つ付いていたため、一つを使ってタイ式のウォシュレットにしたのだそうです。
既存の商品に頼らない、かなりクリエイティブな事例です。
・・・というわけで、トイレットペーパーをゼロウェイストに近づける方法をご紹介しました。
日本の場合は災害が多いので、ゼロウェイストを目指しながらも、トイレットペーパーはなるべくストックしておく方が良いのではないかと思います。
なかなかゴミを減らすのが難しい部分ですが、まずは「エコマーク」の付いた商品を選ぶことから始めてみてはいかがでしょうか。