なるべくゴミを少なくするゼロウェイスト(ごみゼロ)な暮らしを目指しているgrunty(@zerowastegrunty)です。
ここ2〜3年ほど、環境負荷の低い生活をしたくて試行錯誤していました。
みるみるうちにゴミが減り、SNSでも環境意識の高い方々と繋がることができ、とても楽しい日々を過ごしていたのですが。
ある出来事がきっかけで、「ひょっとしてサステナブルを意識しすぎて疲れてるかも・・・」と気付きました。
ゼロウェイストやサステナブルといったワードを意識するあまり、自然体な選択ができなくなっていたのです。
Z世代に広がる「サステナブル疲れ」……就活にもSDGs講座、友人同士でマウンティング
今回は私が感じた「サステナブル疲れ」の内容と、どのように対処したのかについてシェアしたいと思います。
きっかけは服の購入の時
去年の秋、クローゼットに着られていない服を無くしたくて、ワードローブを20着まで絞りました。
秋口から3枚のセーター(ウール、カシミヤ、コットン)を代わりばんこに着ていたのですが、さすがに3枚を高頻度で着ているとどんどん消耗していきます。
もともとよく着ていた服だったこともあって、伸びたり生地が薄くなったりとヨレヨレになってしまいました。
そこで買い替えを検討することに。
お気に入りだったセーターをしっかり着たおすことができて嬉しかったので、消耗が早まったとしても服の数はそのままで行くことにしました。
「最もサステナブルな手段」を求めてがんじがらめに
私は早速調査を開始。せっかく買うからには、できる限り環境負荷の低い選択をしたい。
これまでは服といえば古着を買っていたけれど、ゼロウェイスト生活も長くなってきたことだし、もっと別の選択肢を考えてみてもいいのかも。
サステナブルな素材の調査から始まり、国産の服を扱うブランド、リサイクル素材を使っている服・・・などなどリストアップ。
YouTubeやInstagramで「エシカルなブランドで揃えた」美しいワードローブを見てはため息をついて憧れ、いつか私もこんなワードローブに・・・と夢想。
そんなふうに調べて調べて妄想しても、なぜか最善と思えるものが見つからないまま季節が過ぎていきました。もう春じゃん!
やっとこさ候補として上がってきたものは、
- オーガニックコットンのリブニット(子育て中でほとんど仕事をしていない身には高いなあ)
- パタゴニアのリサイクル素材を使ったスエット(本当はスエットよりもう少しシックなものが着たい)
- 同じくパタゴニアのリサイクル素材を使ったフリース(フリースはマイクロプラスチックが・・・)
- インポートブランドの古着ニット(ブランドだけあって古着でも高い。結局子どもに汚されるんじゃ・・・)
それぞれ、ちょっと心に引っ掛かるものがあって、購入を躊躇していました。
はっとした夫からの一言
スマホで検索しまくって疲れた目をしぱしぱさせ、いつまでも買い替えられないままのヨレヨレのセーターを着ていたある日の朝。
朝食のパンを齧りながら、(愚痴がてら)夫に今の状況を話してみました。
「よくわからないけど、自分が置かれた状況で、できる限りのことをすればいいんじゃない?
誰だって『どんな場面でも100%エコな選択をしてます』って人はいないでしょ。
エコな服を買う余裕がないなら他の部分でできることをすればいい。
こういうエコとかサステナブルとかって、隣の芝生を見ても良いことはないと思うよ。
グレタさんだって、化学繊維の服を着ているだけで揶揄されるけど、
そんな風に揚げ足取りな風潮ができてしまったら、誰もそういう生活をしたいとは思わないでしょ」
言われた直後は、そんなことわかっている、別に隣の芝生を見ていたつもりはない、と思いました。
でも、その言葉を考えれば考えるほど、自分がサステナブルという言葉に縛られて、いかに身動きが取れなくなっていたかに気づかずにはいられませんでした。
エコっぽい服を買ってブログにアップしたいとか、Twitterでいいねしてもらいたいとか、そういう気持ちがどこかにあって、身の丈に合わないものに手を出そうとしていたのではないか。
エシカルブランドで身を固めたYouTuberに憧れたように、自分もそんな風になって賞賛を浴びたい気持ちがあったのではないか。
古着を買うにしても、有名ブランドでなければ「おしゃれとエコは両立できない」と思われると感じていたのではないか。
もともとミーハー心でゼロウェイストを始めただけあって、「エコな選択ができること=クールである」という価値観が私にはあります。
そういう人がだんだん増えていることはこのブログやSNSを通して感じていて、すごくワクワクしています。
でも「エコな人として認められたい」「他の人よりもエシカルな選択ができる自分でありたい」という欲求は、やはり夫が言う通り、長い目で見れば危険なモチベーションだと思います。
どの分野でも100%エコでなければ環境保護について語れないような雰囲気(マウントの取り合い)ができてしまったら、誰も楽しく続けられないでしょう。
個人の精神面でも、何であれ他人からの評価ありきの考えは自分を苦しめることに繋がります。今回の私のように。
サステナブル疲れへの対処法:SNSから離れる
「疲れている」と自覚した時、最初にとった行動は、YouTube、InstagramといったSNSから離れることでした。つまり、私が夢想していた憧れのワードローブのことを一旦忘れることにしたのです。
具体的には
- Instagram、Twitterを開かない
- YouTubeはエシカル関連の動画を観ない
といった行動をとりました。エコなファッションのリサーチもやめ、育児や文学など興味がある別の分野の本を読んだり、お菓子作りを楽しんだり、ツボにハマるYouTube芸人を発掘したりしました。
そうこうしているうちに、「素敵なワードローブ」と自分の現状との差について考えることはほとんどなくなり、「そもそも買い替えなくていいんじゃない?」くらいの感覚になってきました。
(しかし、スーパーのエレベーターの全身鏡に映るヨレヨレセーターの自分を見て、「やっぱり買い替えだよなあ・・・」と思い出す。芯があってしっかり自信がある人はここで買わない選択もできるのでしょう)
もちろんSNSは刺激になるし、楽しいし、幅広い考え方を知る良い手段なので、上手に付き合っていければ良いものだと思います。
例えば私の好きな元ゼロウェイストブロガー、Ariana(@ariana__lorelei)はInstagramで次のように語っています。(最後の一文は冗談にしろ)ハッとさせられました。
サステナビリティはブランドではなく、「どんな行動をするか」です。・・・(中略)・・・環境に優しいデザイナーブランドの服を着る状況にない場合は、ストレスを感じ過ぎないようにしてください。あなたの好きな服を着て、好きなものを使って、もし誰かがあなたの選択を批判したとしたら、私がよくやるように、問題があるのは彼ら自身の方だと思い込ませましょう。
Ariana(@ariana__lorelei)
SNSは一概に悪いとは言えませんが、それでも「疲れている」と感じた時には距離をおいたほうが良いのでしょう。そのつもりがなくても、他人と比較してしまいがちなツールだからです。
サステナブル疲れへの対処法:自分の状況と「できること」を分析する
さて、SNSから離れることで一旦感覚を他人軸から自分軸にリセットすることができたようで、エシカルブランドへの憧れも以前よりは薄くなりました。
「自分が置かれた状況で、できる限りのことをすればいい」
夫にそう言われた私は、もう一度冷静に自分の状況を見つめ直し、「今の自分にとって」最適な服を考えることにしました。
- 肌の弱い赤ちゃんがいる→気をつけていても離乳食や涎で服は汚される。洗いやすく肌に優しい素材のものがいい
- 現状、ほぼ仕事をしていない→ブランドにこだわらず、躊躇なく買える範囲のものにする。きちんとした服でなくても問題ない
- 雪国ではない(関東)→厚手の服でなくても大丈夫
- マイクロプラスチックが気になるので、なるべく化繊は着たくない→天然素材を選ぶ
- カジュアルすぎる服は気分じゃない→デザインは好みを優先
生活スタイルと財政面、そして自分の好みを考えた結果、とうとう自分にとっての最適解を発見!
メルカリで中古の状態の良いコットンニットを2着購入しました! (ユニクロ。2着で1200円!)
冬は重ね着をすれば暖かく、1枚で春や秋にも着られるし、ウールやカシミヤほど扱いに困らない。コットンニットって便利です。
ニットに関しては、子どもが小さいうちは手軽な中古品を着たおして買い替えていくのが自分にとってのベストだろうという結論に至りました(スエットとかだともっと長持ちするんでしょうけどね・・・)。
最初に思い描いていたキラキラワードローブとはちょっと(かなり)違う結果になりましたが、中古のユニクロを着ていても不思議なことに自己肯定感は上がったのです。
なぜなら、自分で考えて、ささやかながらポリシーをもって決められたから。誰が何を言おうと、これが私にとってはベストな服なんだと胸を張って言えます。
「良いものを長く使う」「ブランドコンセプトにお金を払う」のは憧れのスタイルだけれど、いまの私にはまだ合わない。それに気がつけたことも大きな収穫でした。
良いものを使う楽しみは未来の自分にとっておいて、しばらくは誰かの服の余剰分で生活することにします。
社会的な問題であり、個人的な問題——自分にとってサステナブルかどうか
気候変動は社会的な問題です。しかし、それに対してどうアクションするのかは、完全に個人的な話です。
選択肢は多々あれど、環境云々以前に大切なのは、自分にとってもサステナブルな(続けられる)生活を選ぶことではないかと思います。
というわけでとっても限定的な体験談となってしまいましたが、この話が誰かのお役に立てれば幸いです。
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