ゼロウェイスト

上勝町だけじゃない!日本のゼロウェイスト宣言都市と取り組みまとめ

ゴミの量を抑える「ゼロウェイスト運動」を推進している地域としては、徳島県勝浦郡上勝町が有名です。

「ゼロウェイストを目指している都市を知りたい!」「日本のゼロウェイスト宣言都市の取り組みを知りたい!」という方のために、日本のゼロウェイスト宣言都市をまとめました。

日本におけるゼロウェイスト宣言都市は4つある

上勝町を含め、日本には4つのゼロウェイスト宣言都市があります。

この記事では、

  • 日本のゼロウェイスト宣言都市

から、

  • それぞれの地域でどのような取り組みがされているか
  • ゼロウェイストに取り組む地域をどのように応援すれば良いか

についてご紹介します。

徳島県勝浦郡上勝町

徳島市内から車で約1時間ほど、棚田風景が広がるのどかな町。

上勝町が日本で初めてゼロ・ウェイスト宣言をしたのは2003年のこと。

上勝町ゼロ・ウェイスト宣言

未来の子供たちにきれいな空気やおいしい水、豊かな大地を継承するため、2020年までに上勝町のゴミをゼロにすることを決意し、上勝町ごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)を宣言します。

1)地球を汚さない人づくりに努めます!

2)ごみの再利用・再資源化を進め、2020年までに焼却・埋め立て処分をなくす最善の努力をします。

3)地球環境をよくするため世界中に多くの仲間をつくります!

この宣言以来、リサイクル率を81%にまで引き上げることに成功しました。

上勝町は人口は1,600人に満たない四国一小さな町。

かつ高齢化率は約50%(平成28年1月1日現在)と過疎化が進んでいるにも関わらず、その取り組みが注目され、年間2,600人が視察に訪れているそうです。

具体的にはどのような取り組みをしているのでしょうか。

ごみステーションの設置

上勝町では住民自らがゴミを「ごみステーション」まで持っていくシステムを採用しています。

ゴミの分別項目はなんと45種類にものぼり、紙パック一つとっても、裏側のアルミの有無まで細かく分別されています。

こうして細かく分別をすることで資源としての価値を高め、リサイクル業者の負担を減らしているそうです。

特に紙や金属などの「お金になるゴミ」は、年間250〜300万円もの収益を生み出しているのだそう。

くるくるショップ、くるくる工房

ごみステーションに併設されている「くるくるショップ」と「くるくる工房」。

くるくるショップでは、不要になったけれどまだ使えるものを住民が持ち込み、必要な他の人に再利用してもらうことができます。

くるくる工房では、着物や鯉のぼりの生地などをアップサイクルした商品が並びます。

ゴミの分別に協力した住人には「ちりつもポイント」を配布し、ポイントが貯まるとくるくる工房の商品と交換できます。

生ゴミ堆肥化処理機の購入費助成

ごみステーションには生ゴミは持ち込まれず、各家庭で堆肥化処理をしています。

その仕組みづくりのために、上勝町は1万円で堆肥化処理機を購入できる補助制度を導入。

かつて全体の3割を占めていた生ゴミは堆肥として生まれ変わるようになりました。

資料
https://www.daiwahouse.com/sustainable/sustainable_journey/smartecotowns/kamikatsu/
https://ideasforgood.jp/2019/01/26/tokushima-kamikatsu/
https://www.nippon.com/ja/guide-to-japan/gu900038/?pnum=2

福岡県大木町

2008年、上勝町に続いて日本で2番目に「ゼロウェイスト宣言(もったいない宣言)」を発表した福岡県大木町。

人口約14500人、水郷・柳川に隣接した農業の町です。

大木町もったいない宣言

子どもたちの未来が危ない。地球温暖化による気候変動は、100年後の人類の存在を脅かすほど深刻さを増しています。その原因が人間の活動や大量に資源を消費する社会にあることは明らかです。

私たちは、無駄の多い暮し方を見直し、これ以上子どもたちに「つけ」を残さない町を作ることを決意し、「大木町もったいない宣言」をここに公表します。

1.先人の暮らしの知恵に学び、「もったいない」の心を育て、無駄のない町の暮らしを創造します。

2.もともとは貴重な資源である「ごみ」の再資源化を進め、2016年(平成28年)度までに、「ごみ」の焼却・埋立て処分をしない町を目指します

3.大木町は、地球上の小さな小さな町ではありますが、地球の一員としての志を持ち、同じ志を持つ世界中の人々と手をつなぎ、持続可能なまちづくりを進めます。

おおき循環センター(くるるん)の導入

ごみ焼却施設を持たない大木町。

2006年に生ゴミや屎尿などをエネルギーや肥料として地域内利用するための施設「おおき循環センター(くるるん)」を導入しました。

これにより、廃棄物処理費が削減できただけでなく、農産物生産のための肥料購入費も液肥でまかなえるようになっています。

生ゴミの分別収集と26種類の高度分別

ゴミの分別方法は26種類と細かく設定し、くるるんの導入により、生ゴミの分別収集も開始。

住民の意識も高まり、燃えるゴミの量は2,295トン(2005)→1,322トン(2007)→985トン(2015)と急減しています。

資料
http://www.town.ooki.lg.jp/kankyo/8/
https://www.shinrinbunka.com/news/pickup/12545.html
http://www.f-chousonkai.gr.jp/sight/detail76.html
http://kururun.jp/

熊本県水俣市

熊本県の最南部、天草の島々を臨む熊本県水俣市。

2009年にゼロ・ウェイスト宣言を発表しています。

ゼロ・ウェイストのまちづくり水俣宣言

私たち水俣市民は、私たちの日常をあらためて見直して、自然の恵みを大切にし、限りある資源やエネルギーを最大限有効に利用する暮らしとしくみづくりに努めます。

私たち水俣市民は、大切なふるさと水俣の自然をけがさず、全ての生き物の命と健康を脅かさないため、2026年までに、ごみ処理を焼却や埋立に頼らないまちづくりのしくみをつくります。

私たち水俣市民は、1992年「環境モデル都市づくり宣言」以来、私たちが続けてきた取り組みと努力に誇りを持ち、この経験と成果を生かしてゼロ・ウェイストを進めます。

私たち水俣市民は、ゼロ・ウェイストの取り組みを進めるために、市民・事業者・行政が必要な情報を共有し、継続的に話し合う場を設け、常に目標・行動・成果を見直しながら、協働で取り組みます。

私たち水俣市民は、志を同じくする日本中・世界中の人々や自治体と手をつなぎ、連携して問題解決を図り、日本と世界の環境をよくするゼロ・ウェイストの仲間づくりを進めます

結構調べてみたのですが、行われているであろう具体的な取り組みがまだ十分に周知できていない印象でした。(住民によるゴミの高度分別、生ゴミコンポストの助成等は行われているみたい)

他の地域よりも先に環境汚染の被害を受けてしまった悲しい歴史があるからこそ、広報含め、これからの活動に期待しています。

(熊本県は私の故郷でもあるので、応援したいところです。)

資料
https://www.city.minamata.lg.jp/kankyo/kiji00377/index.html

奈良県斑鳩町

2017年と、比較的最近ゼロ・ウェイスト宣言を行った奈良県斑鳩町。

まだまだ情報は少ないですが、市のウェブサイトからは市民向けに以下の取り組みをしていることがわかりました。

生ゴミ処理機の購入費用補助

生ごみ処理機を購入する方に費用の3分の2を奨励金として交付しています。

これは多くの自治体でも行われているので、ぜひお住いの行政のウェブサイトをチェックしてみてください。

ポイントカード式空き缶回収機

空き缶を集めて町内の公共施設に設置している空き缶回収器に入れると、1缶につき1ポイントがもらえます。

500ポイントを集めると、500円相当のエコ商品と交換が可能。

資料
http://www.town.ikaruga.nara.jp/0000000196.html

応援する方法①現地に足を運んでみる

上記のようなゼロウェイスト宣言をしている町を応援するために、どのようなことができるでしょうか。

もし行ける距離であれば現地を訪れてみると良いのではないかと思います。

地元のレストランで食事をしたり、お土産を購入したりすれば現地の経済に貢献できます。

消費するだけではなく、現在住んでいるところにも取り入れることができそうな活動を見つけたら、住民の声として提言してみるのも良いかもしれません。

応援する方法②ふるさと納税をしてみる

現地が遠い、行く時間がない、という方はふるさと納税をしてみてはいかがでしょうか。

ふるさと納税は市町村に納税することで、返礼品がもらえて税金も安くなる制度。

※どれくらい税金が安くなるかは、控除シミュレーションを利用してみてください。

インターネット上で簡単に行えるので、遠方の方や時間がない方でも気軽に支援をすることができます。

上記の町でも魅力的な返礼品を揃えているのでぜひチェックしてみてください。

ちなみに「さとふる」を利用すると、福岡県大木町、熊本県水俣市にふるさと納税ができます。

行政の力は大きい

ゼロウェイストを個人で実行しようとすると、どうしても限界を感じることがあります。

周囲からちょっと変な人(神経質、意識が高い、呼び方はいろいろ・・・笑)扱いされることもあります。

(個人的には)ゼロウェイスト活動は、現状の消費システムを受け入れないという意味で、少し反社会的な面もあると思っています。

行政の力は大きく、上記のような地域の取り組みは社会のあり方を大きく変える可能性があります。
これからの取り組みにも注目したいです。

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