エコミニマリズム ゼロウェイスト

田舎・地方での車なし生活は無理どころかメリットたくさん【インタビュー】

なるべくゴミを少なくするゼロウェイストな暮らしを目指しているgruntyです。

家庭ゴミを減らしたり、環境に優しい商品を購入したり、といった日々の心がけよりも、環境負荷を格段に減らせる行動をご存知ですか?

それは車を持たない生活をすること。

家庭からのCO2排出量の内訳は、

用途別では自動車からが25.5%、燃料種別ではガソリンからが24.3%を占めています。

出典)温室効果ガスインベントリオフィス
全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイトより

とはいえ地方に住んでいたりすると「車がない生活なんて無理!」って思ってしまうかもしれません。

今回は、長野県に住みながらも車を手放す決断をした、私の実の兄(@katsu_nsy)に話を聞いてみました。

意外や意外、とても楽しそうでメリットだらけの生活が見えてきました。

長野県で車なし生活を送る理由

——簡単に自己紹介をお願いします。

32歳、一人暮らし、長野県松本市に住んでいます。職業は会社員(エンジニア)です。

——もともとは車を持っていたんですよね。

長野県に配属されてから半年〜1年後くらいに買って、7年ほど乗っていました。

車を買うことにした理由は、みんな持っていて、会社の人も必要だと言っていたからです。

「車はいらないよ」なんてことを言う人はいなかったし、周りに車を持っていない人もいませんでした。

長野県に住むなら車を持つのが当然という流れだったので、特に疑問も持たず車を購入しました。

——どんなときに車を使っていましたか。

最初に住んでいた会社の寮が、職場には近いけれど辺鄙なところに建っていたため、買い物に行く時や外食するとき、遠出をするときに車を使っていました。

今住んでいるアパートに引っ越してからは通勤にも使っていたので、毎日乗っていましたね。

——毎日乗っていたのに、車を手放した理由は。

資産運用を始めたかったからです。

生活コストを下げて、なるべくお金を資産形成に回したかったのが理由です。

節約していく中で、生活に必要なものとそうでないものは何だろうか、と考えてみました。

そこで車が「生きていくのに必要か?」を検討した時に、「絶対必要」というわけではなかったんです。

会社までは片道2キロくらいで自転車で行けるし、スーパー、ドラッグストアも徒歩圏内。

働いたり生活するために車は必要ない=車はレジャー用だな、という結論になりました。

そこで計算してみたところ、車を所有しているだけで年間20万円かかっていることがわかりました。

レジャーとして使うのにコストが見合っているとは思えなかったんです。

——20万円は大金ですね。

長野県での計算なので、全国的には維持費としてはこれでも安い方です。

    • 車検代
    • 任意保険
    • 駐車場代
    • 税金

プラスガソリン代で、ひと月2万円くらいの負担になっていました。

月に4回(週末)のレジャー用途のために2万円も払い続けるのは、僕にとっては高く感じました。

車やドライブが好きな人なら高くはないのかもしれませんが。

そこで、手放すという決断をしました。

車なし生活の通勤・休日の過ごし方

車なし生活のイメージ
自転車で古市へ

——現在の平日と休日の過ごし方を教えてください。

平日は自転車に乗って会社に通勤しています。

2キロくらいなので、片道約10分です。

渋滞の心配がないのと、駐輪場が会社の入り口の近くにあるので、

車で行っていた時と変わらないか、ちょっと早く着くくらいになりました。

休日も基本的には自転車で移動して図書館に行ったり、公園に行ったり。

彼女も自転車を持っているので、デートのときも自転車で公園に遊びに行ったりしています。

無駄に遠出をしなくなったし、近いところで用事を済ませるようになったので、逆に時間に余裕ができました。

自転車で行けないようなところへ出かけたい時はバスや電車などの公共交通機関を使うか、

それでも行けないところへはカーシェアを使うようにしています。

カーシェアは基本料金が月額1000円くらいで、使った分だけ料金が加算される仕組みです。

僕の場合は使ったとしても月に1〜2回程度なので、車を持つより経済的です。

公園でお花見。遠出をするときはカーシェアで

——なんだか身軽で楽しそうですね。車を手放したことで起こった変化として、他にどんなことがありますか。

当然ですが、毎日自転車や徒歩なので運動習慣が身につきました。

車は運転するのに神経を使うし、渋滞やメンテナンスの手間、故障などによる突然の出費の可能性もあります。

それらの煩わしさから解放されて、ストレスが減ったように思います。

仕事が終わって自転車で退勤するのはリフレッシュにもなっていて、移動をポジティブに考えられるようにもなりました。

不思議と、ライフスタイルや生活態度も変わりました。

漠然と「良い車が欲しいな」と思ったり、物欲に悩まされることが少なくなり、

家でもテレビを見るのではなく本を読むようになったりと、

受け身で消費的な思考から前向きに変わることができたように思います。

車なし生活のデメリットと工夫

——車なし生活のデメリットはありますか。

車を手放した直後はやはり喪失感がありました。

行動範囲は狭くなりましたし、気温や天候にも影響を受けやすくなります。

また、重いものはなかなか運べません。

ただ、気温は服装次第でなんとかなりますし、大抵の荷物はリュックサックに入ります。

お米のような重量のあるものはネット通販を利用したり、クリーニングに出す服はキャリーケースで持ち運ぶなどして工夫しています。

人によっては、車を持っていないことへの引け目を感じることもあるかもしれません。

僕の場合はデメリットよりもメリットの方が多かったので、車のある生活に戻ろうとは思いません。

——長野県は雪国ですが、悪天候の日の対応の仕方を詳しく教えてください。

雪で路面が凍結している場合は、スリップすると危ないので歩いて通勤するようにしています。

冬はかなり気温が下がるので、アウトドアのレイヤリング(重ね着)の方法を参考にして、しっかり防寒しています。

雨が降った時は、音楽を聴きながらのんびり歩くことにしています。

基本的に天気が悪い日はあまり出歩かないで家で過ごす選択をすることが多いですね。

やっぱり、天候によって行動が左右されるようにはなります。

積雪の長野県の様子
冬場は雪が降り積もる

地方・田舎で車なし生活が無理だと思われている理由

——車を手放した時の周りからの反応はどうでしたか?

驚かれました。

「ないと不便でしょ」「車がないなんて・・・」といった、「信じられない」って感じの反応でしたね。

——確かに、田舎や郊外で車を持たずに生活するのは難しいイメージがあります。

僕もそうでしたが、「みんな持ってるから」とりあえず車を持っている、という人も多いのではないかと思います。

けれど、本当は必要性は個人によって違うはず。

住んでいる場所や自分の性格、趣味によって、車の必要性も変わってくるはずなのに、

あまりよく考えずに、みんな持っているから必要だと思っている場合があるのではないでしょうか。

また、郊外の街は車に便利なように設計されていることが多かったり、

どちらかといえば保守的な人が多いのも、車なし生活が難しいと思われている理由かもしれません。

僕が車を手放したことについて、「確かにいらないよね」って反応をしてくれる人もいますが、実際に手放す選択をする人はなかなかいません。

——車なし生活を選択することで、環境問題にも大きなメリットがありますね。

僕の場合は節約がきっかけでしたが、車に乗らない生活をすることで、自然とエコにも関心が出てきました。

人を数人運ぶのに、そんなに燃料を使って移動しないといけないんだろうか?

車内空調に燃料を使う必要があるのだろうか?

など、車のエネルギー効率の面に疑問を持つようになりました。

環境のことを考えると、車の台数は減らしていくべきでしょうね。

日本はインフラが恵まれている方なので、乗らなくても生活できる人は多いような気がします。

車販売は日本経済の主幹なので、なかなか難しいところですが・・・

例えば自転車レーンを整備したり、アパートやマンションごとにカーシェアを置くようにすれば、かなり台数は減らせるのではないかと思います。

ミニマリストな部屋
車を手放してライフスタイルが変わり、部屋もすっきりとした
ミニマリストな部屋2
  

——車なし生活を始めてみたい方に一言お願いします。

まずは、車の必要性を見つめ直してみると良いと思います。

「みんなが持っているから」ではなくて、本当に自分に必要かどうかを検討してみてください。

そして、車なし生活が可能かどうかを実際に試してみてはどうでしょうか。

僕の場合も、車を手放す前に「まずは車に乗る頻度を控えよう」と思って3ヶ月間過ごしてみました。

その結果、全く乗らなくても問題がなかったので、手放すという選択をしました。

まずはできるだけ車に乗らない選択をしてみると、車のない生活がイメージできるのではないかと思います。

経済的にも健康的にも、環境的にもメリットがあります。

ドライブが好きだったり、活動的な性格の人には合わないかもしれませんが、車なし生活が可能な人にはおすすめしたいです。

インタビューを終えて:ポジティブな車なし生活

私たち兄妹は九州の田舎で生まれ、一家に何台も車があるのが当たり前の環境で育ちました。

そのため、長野県に住む兄が車を手放したと聞いた時は私も驚きました。

きっとかなり不便な生活をしているのだろう・・・と内心は同情していましたが、

今回話を聞いてみて、とてもポジティブに車なし生活を楽しんでいることがわかりました。

たとえ郊外に住んでいたとしても、車の必要性は個人によって異なります。

考えてみれば当然のことですが、みんなが車を持っている環境に身を置いていると、なかなか気がつきにくいですね。

車なし生活を送ることで生活態度にまで変化が出たという話も意外でした。

この記事が車なし生活を考えている人の参考になれば幸いです。

エコな取り組みをインタビューさせてください

このブログでは初めてインタビュー記事を書きましたが、自分だけでは知ることができない体験談を聞くことができてとても楽しかったです。

もっと色々な人の話を聞いてみたいなと思いました。

というわけでZoomやメールなどを使って、個人のエコな取り組みをインタビューさせてくれる人をゆるく募集します。

  • 車なし生活を送る方
  • ヴィーガン、ベジタリアンの方
  • ゼロウェイストに取り組んでいる方
  • コンポストを使っている方
  • 布おむつを使っている方

などなど、小さな取り組みでも結構です。さまざまな人の体験を聞いて記事にしてみたいと思っています。

謝礼として、ご希望の方には竹のカトラリーセットを進呈します。

コメント欄かTwitter(@zerowastegrunty)でご連絡ください!

 

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2 Comments

  1. 車なし田舎生活をしたくて伊豆半島に移住しました(^^)すごく共感できることがたくさんです。
    また、プランツベースやゼロウェイスト生活もゆるくやっています。

    1. コメントありがとうございます。
      伊豆半島、何度か訪れたことがありますが素敵なところですよね〜羨ましいです。車社会なイメージもありますが自転車など活用されているんでしょうか。
      プランツベースやゼロウェイストも実践されているとのこと、とてもエコな暮らしですね!

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